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【実録!LGBT カミングアウト】母は「治らないの?」と聞き父は泣いた…そして兄は爆笑

【実録!LGBT カミングアウト】

母は「治らないの?」と聞き父は泣いた…そして兄は爆笑

 

 私、AVANCEの代表の山口は地元の滋賀にいる間は誰にもカミングアウトできず…20歳で上京。24歳にして失恋のショックから職場の先輩に話したのが初めてのカミングアウトでした。1度すると自分の中でのハードルも一気にさがり、中のいい友達や同僚には必要があればカミングアウトするようになっていました。

 カミングアウトも板に付いてきた(??)頃、家族にカミングアウトすると決めました。(理由はこのあと書きます)これは緊張したーーー!!2時間、話を切り出せませんでした。そしてやっとしたカミングアウトに対する家族の反応はそれぞれでした。

 

目次

 

  1. カミングアウトを決めた理由
  2. まずは2歳上の兄でカミングアウトを練習
  3. 兄の反応から見えた地方の現実
  4. いざ実家へ〜緊張の2時間〜
  5. 父親が初めて子どもに見せた涙
  6. まとめ

 

カミングアウトを決めた理由

 

 うちの家族は仲良しです。自分が東京に出てからも帰って来る日が分かれば、家族皆が集まってきます。結婚し近くに住む兄は嫁と甥っ子2人を連れて、実家を出て兵庫で一人暮らしをしている弟は彼女を連れて。そして調理師免許を持っていて料理が得意な父親が作ってくれたご飯を皆で食べるのが恒例。

彼女がいたときに一緒に実家にいったこともありますが、そのときは「友達だ」と紹介していました。

 家族へのカミングアウトは、いつか自分が一生一緒にいたいと思える人が出来た時に言おうと決めていました。自分が話すといういう事は家族に自分が背負ってるものを分け与えるだけじゃないのかなと考えていたのです。大好きな家族にそれはしたくない…。自分が女性が好きだとだけ伝えたら、田舎の両親はきっと心配するだけ。「でも大丈夫、この人がいるから」とせめて言える時にしようと考えていたのです。

 そして30歳の時に、そう思える人に出会いました。二人の間では家の購入まで話が進んでいて、そのために同棲を始めようとなっていました。ついにこの時が来た!と母親に「来月帰るわ」と電話。普段は帰ってこないタイミングだけに「なんで?」と聞く母。しつこいので「ちょっと話がある」とだけ伝えました。

 

まずは2歳上の兄でカミングアウトを練習

 

 そんな意味深な内容を聞き逃さないのがうちの兄。次の日に電話をかけてきて「話ってなんやねん?」と。面倒くさいなと思ったのですが、そこでピンときました。「あ!練習台に使おう」と、、、

「実は前に連れて帰った〇〇いたやろ?あれ、友達じゃなくてつきあってたんや」とかなり直球で言いました。すると…意外な反応が…

「まじでか!あのたまにテレビでみるやつか!!」って、、、。逆に笑っちゃうぐらい驚いてました。

それで自分が
「え?薄々気付いてたやろ?友達男ばっかやったし格好も男っぽかったし」

「全く分からんかった。まさか自分のこんな近くにいると思わんやんけ」と、、、そして兄は大爆笑し
 
「じゃあ、お前が実家に連れてきたあの子も、あの子も彼女なんけ?」
と答え合わせをした後に
 
「それを言いにくるんや?兄ちゃん、絶対その場にいたい!!」
と、むしろ楽しんじゃってました。

さらに翌日、兄から電話。

 
 
「おい!○○ちゃん(兄の嫁)にお前の話をしたら選挙に立候補する勢いになってるぞそういう人たちが結婚も出来ない何も守られてない社会なんて許せないって色々調べてマジで怒ってるぞ!!」
ってまた大爆笑。
 
 
自分のこの話を聞いて大爆笑してくれる兄。本気で社会に対して怒ってくれる兄嫁。どっちも最高の優しさに溢れてました。

ま、兄嫁も
「私も絶対、話す場所にいたいわ~」と夫婦揃って同じ事を言ってましたけどね」

 
 
楽しく終えた兄へのカミングアウト。でも、この反応は意外すぎて両親へのハードルをさらにあげたのです。
 
 

兄の反応から見えた地方の現実

 
 
 
兄のこの言葉「全く分からんかった。まさか自分のこんな近くにいると思わんやんけ」

本当に意外でした。子どもの頃から周りは男友達だらけ、制服のスカートすらいやがって、彼氏も作らない。この世界では教科書通りの典型的な幼少時代を過ごした自分を間近で見ていた兄。自分からしたら「はい!みんな薄々気づいてたでしょ〜。答え言っちゃうよ〜。」ぐらいのノリでした。でも。。。まだ若い兄でさえ、今まで全く疑う事もなかった。。。という事は親なんて絶対疑った事もないはず、、、

自分が30歳ということは2010年ぐらいの話です。恐るべき我が故郷、滋賀県!!LGBTは、まだテレビの中だけの世界だったのです。
 
 
でも、もう決めたら行くしかない!!
 
 

いざ実家へ 〜緊張の2時間〜

 

大爆笑の兄・・・
本気で社会に怒っている嫁・・・

そんな兄と嫁に見守られ、ついに両親にカミングアウトする時が!

ご飯も食べ終わり、いつも通り、リビングで皆でテレビを見ている時です。兄と嫁とやたら目が合う・・・二人ともいつ切り出すのかソワソワ。さすがに、実家にまで来たものの切り出すまでに
結構時間がかかりましたね。2時間は確実にたっていました。

そして、いよいよ

 
「話がある。実は今まで実家に連れて来た子(実例を出して)とかって友達じゃなかってん。実は彼女やった。そういう事やねん、、、それで、今新しい彼女と同棲しようと思ってる。だからちゃんと伝えようと思って・・・」

最初に口を開いたのは母でした

母「それは治らへんのか?」

自分からしたら、それは母らしい質問でした

「治るとかってのはないと思う。東京とかには、お母さん達が思ってる以上に自分と同じような人たちがいる。だから1人ぼっちになるとか心配はしなくてもいいから」

母「大学辞めたりしたのもそれが原因やったんか?」

「やりたい事が変わったって言うのもあったけど、、、どっかで、この事も理由になってんのかもしれん。自分も滋賀にいるときはこんなにも自分と同じ人達がいるとは思ってなかった。1人で生きて行く覚悟もしなあかんと思ってた。だから、男・女関係なく働ける職場。一生自分が楽しんで出来る仕事を探してたところはあったから」

まー沈黙が続きましたよ・・・

 
両親の空気にさすがの兄と嫁も黙ったまんま、、、

 
そしたらずっと黙ってた父が・・・
 

「分かった。今度、その子を連れて来い」って

その父の言葉で話は終了。父はその一言だけで自分に何も聞いてこなかったのです。

そのあとは、いつもの家族の空気に戻り何もなかったかのように皆でテレビを見てました。

 
 

父親が初めて子どもに見せた涙

 

次の週末・・・兄から電話がありました。

「あのさ~、お前に言うか迷ったんやけどお父さんが泣いたの初めて見たわ」

全く意味が分からなかったです。自分も父が泣くなんて想像もつかないから。

「昨日、皆でご飯食べてたらお前の話になったんや。そしたら、お母さんが、「治らへんのやろうか」とか、「滋賀に帰って来さそうか」とか色々ゆってたんや。そしたらな、お父さんが「もう言うな」って「あいつは今までずっと家族にも黙って1人で悩んできたんや。あいつが一番悩んでたんや。だからもう言うな。」って言って泣いたんや。」

ま~、兄にばれないように自分も泣いちゃいましたね。兄弟は兄と弟。自分は父からしたら一人娘です。ず~っと子供の頃からお父さんそっくりだと言われ続けた1人娘です。

 
 
きっと父も娘に思い描いた未来があったはずです。
 
思い起こせば大学を突如中退し、上京する事を勝手に決めた時も「東京でちゃんとやり通せ。次はないぞ・・・」と背中を押してくれたのは父でした。

そして、彼女を実家に連れて行くと父は得意の手料理でもてなしてくれました。その時は母も笑顔で迎えてくれました。兄も、兄嫁も甥っ子も・・・

今では、家族にも何でも話せるようになりました。このAVANCEの活動も、いつも電話で伝えてます。

 

まとめ

 

カミングアウトにそれぞれの反応を示した自分の家族。。。

カミングアウトはこの家族の一員で本当に良かったと改めて思わせてくれた出来事でした。そして何よりもこんな家族を作り上げた父の事を世界で一番格好いい父親だと思っています。

 

 

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