「こんにちはー」
と、マンションの階段ですれ違った人に機械的に言ったら、
「…おかえりなさい!」
という言葉をいただいちゃいました。
高校生の時、学校からの帰り。
その「おかえりなさい」がすてきだったから、きゅんとしました。
山口さん・9さんが語ってらした「人の振り見て我が振り」な話。
「私は何かあったかしら」
と考えていたら、10年以上前のことが思い出されました。
冒頭のくだりがそのエピソードなんですけど、なんでかずっと覚えているんです。
あのとき、学校の帰りで、疲れている&気が抜けていて、「早く家に帰りたい」とばかり思っていた気がします。
なので、人が階段から降りてくるのが見えた時、「うわ、人来たわー」となんならちょっと面倒に思いながら、鉢合わせたタイミングで「こんにちは」と挨拶しました。
挨拶をしないのも不自然だし、おそらく同じマンションの住人だし、何事もなくすれ違えれば、とだけ思って。
そのすれ違った住人は、「若いご夫婦+ご夫婦どちらかののお母さん」という面々で、ご夫婦は「こんにちはー」とさらっと階段を駆け下りていきました。
けど、ご夫婦の後にいたお母さん…ミセスは、
「・・・・・・・・・・おかえりなさい!」
と笑顔で挨拶してくださいました。
(制服姿で昼過ぎだったので下校中なのが分かったんでしょうね)
そのミセスの笑顔が、かわいらしくて嬉しそうで生き生きとしていて、目を合わせての軽く会釈を交えたものだったから、こちらまで嬉しくなっちゃったのを覚えています。
「ただ『こんにちは』って言っただけなのに、あんなに丁寧に返してもらっちゃった…!」
と声を掛けたこちらの方が、たくさん貰った気分になりました。
私はその後、ミセスに笑顔を返せたか、やはり機械的にその場をやり過ごしていたかは思い出せないのですが、あとからあとから嬉しいような恥ずかしいような気持ちになりました。
「私の『こんにちは』はぶっきらぼうじゃなかったかしら。『階段、先にはよ行って』と急かす響きがありはしなかったかしら。」
と我が身を振り返り、
「ミセスほど心はこめられないにしても、せめて不機嫌そうな挨拶はやめよう…」
という反省をしました。
すてきな笑顔や、嬉しさが伝わってくるような声色や、丁寧な所作は、それだけで接する人にいい気分をもたらすものなんですね。
ほんの一瞬のやりとりだったけど、あのミセスから学んだことは多いです。
ミセス、すてき。
すてきミセス。
…あっ、違います。人妻とか熟女の方面に興味があるわけではありません/////
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
この出来事のあと、こんな話になりました。
すごいどうでもいい話なんですけど。
友人との会話で、
「最近萌えた話ある?」
という話題になって、
「マンションですれ違った人に『おかえりなさい』って言ってもらった!」
とドヤっと報告しました。
あんなすてきな一瞬はなかなかあるものではないから。
したら、
「それは…萌えではない」
って言われちゃいました。
そうですね、萌えではないですね////
ただの住人同士の挨拶ですものね。
けど、ミセスのあの嬉しそうな笑顔を見た時の私の感情は、「萌え」もかなり含んでいたと思っています。きゅん。
LEAVE A REPLY