以前、保険見直しのため保険屋さんの担当である年配の男性に、顔見知りにも友達にも親にもカミングアウトしたことがなかった私が、カミングアウトした話を覚えていますか?
なんで今まで一切カミングアウトしていなかったのに突然カミングアウトしたかって、保険の話って、聞いていると、多数派である男女の結婚が視野に入れられているんですよね。
『9さんもいずれ結婚して、お子さん産むこともあるかと思います』と担当さんに何回も言われたのですが、『レズビアンなんだから、そんな可能性ないのに…』ともやもやしていました。
そりゃあ流すこともできます。
しかし、ここで「レズビアンです」とカミングアウトしなければ、もし将来を共にするパートナーができたときに、入っていた保険で『同性パートナーは無理です』と断られてしまったら、これまで払った保険料が無駄になるのではないかと考えちゃって。
ならば、今ここでカミングアウトした方が、『同性パートナーもOK』である保険を教えてもらった方が、今後お得なのではないかと思ったんです。
ドキドキした初カミングアウトも、親身になってくださる担当さんのおかげでなんとか保険も決まりました。
仕事だから当たり前なんですけど、嫌悪感を見せずに気を遣ってもらいながら、ああだこうだとやり取りをして、初カミングアウトとしてはホッとできる態度でした。
ただ、その決まった保険が問題で。
今の保険って、1社だけに入るのではなく、複数の会社の特化した保険に入ることが主流なようで、そのため私も何社かに分けて入りました。
その際に、受取人が必要な保険の3社に『受取人が同性パートナーでも可能であるか』担当さんに聞いてもらったんです。
そうしたら、意外なことに全ての会社が『可能』という答えでした。
意外じゃないですか。
そんなすんなりできちゃうものなの?最近はLGBTも知られるようになったし、世の中、知らない間にどんどん進んでいることに、ただただ驚く。
むしろ、当事者である私が置いてかれている状況でした。
しかしまあこんなトントンいくわけもなく、後日談がありまして。
その後、一度家に帰ってから担当さんから連絡がきたんです。
「申し訳ありません」と最初に言われました。
1社目は問題なくOK、2社目は担当さんの面談や聞き取りを経て可能、3社目は公正証書を持ってくるなら考えるけど現段階では無理という、それぞれの回答を改めて受けました。
可能って言ったはずなのに…と混乱しましたが、どうやら色々な条件があるようで、保険会社によっても様々なようです。
やっぱり同性パートナーの壁は大きいんだと落胆した気持ちもありますが、1社だけはすんなりとOKが出たことがすごいのでは。
『保険は時代に合わせて新しくなるもの、同性パートナーでも可能な時期がくるはず』と担当さんも話していましたが、確実に、時代は進んでいるんですね。
聞いてよかった。
話してよかった。
将来のことを曖昧なままにしておくのは、もったいない。
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