AVANCE

〜ビアン人生も悪くないですよ〜

ゲイの後輩が会社を辞めたのは、

こんばんは、まーさんです。

資格試験も無事に終わりました。合格できたかどうかは水曜日の解答速報を見てみないとわかりませんが、終わったことはね、もう考えたって仕方ないですからね。

「終わったことは、もう考えたって仕方ない」かー。

金曜日の夜に、会社で軽く飲んでいたんです。会社の創立記念日だったので、「おめでとう飲み会をするよ!」って上司が言い出して、仕事が終わって気が向いた人が10人くらい集まりました。

その中に1年前に入社したK君がいました。彼が入社したときは大漁採用(←気分的にはこの漢字が合ってる)で、同期入社が6名いました。(いつもは不定期に1名~2名採用してます)

うちの会社は入社して3週間ほど新人研修の期間があって、研修は先輩社員がローテーションで担当します。その大漁組の研修を担当したのは私でした。

新人研修を担当すると、何となく「先生と教え子」みたいな関係になります。研修が終わると新人たちはそれぞれの配属先に散っていくのですが、その後も何となく気にはなるんですよね。

そんなに熱くなるような研修じゃないけど…

 

実はその6名の中に、ゲイの男性Y君がいました。30代前半で、そこそこキャリアもあり、なかなか頭のいい人でした。

彼は見た目こそ普通の男性でしたが、話し方も仕草も女性っぽくて(女子力は私より圧倒的に高く….)、ゲイであることをオープンにはしていないけど隠してもいなかったという感じでした。

彼については採用面接も私が担当していたので、面接中にも隠し切れないリアクションがちらほら出ていたことを覚えています(笑)。緊張して言葉がうまく出てこなかった時にちょっと肩をすぼめちゃったりとか、私が何かを突っ込んだら「あっ!」と言って口に手をあててみたりとか(そのとき、肘は内向きね)。

私としては、LGBT仲間がこうして堂々と(本人は隠しているつもりかもしれないけど?)自分らしく社会で活躍しようとしていることを誇らしく思ってました。

私も「Y君、安心して。お仲間よ!」って言ってあげたかったんですけど、会社ではカミングアウトしてないので実際は言えず…。「私の方こそ、まだまだだな」と反省しちゃいましたよ。

りっぱだね!

 

そんなY君の研修期間が終わり、彼は私とは別の部署に配属されました。Y君の配属先は、別のエリアにオフィスを構える部署だったので、配属を機に私とY君は顔を合わせることがなくなってしまいました。

それから1か月足らずでした。Y君が会社を辞めてしまったのは。

会社からは「なんの前ぶれもなく突然辞めてしまった」と聞かされました。私はそれを聞いて、「入ってみたら思っていたのと違った」という良くある理由なのかなと思いました。

入社して3ヵ月以内の離職率ってわりと高いんです。3ヵ月どころか、3週間とかね。研修最終日に辞めるというケースもまあまああります。研修が終わって、いよいよ明日から現場に出ていくんだって考えたら、急に自信がなくなって辞めてしまうというケースです。

そんな感じだったので、彼が突然辞めてしまったことについて、私はあまりこだわりませんでした。「残念だけど、他にやりたいことが見えているのかもしれない」と前向きに捉えたくらいです。

 

でしたが、

金曜日の飲み会で事実を知りました。

 

K君が「Y君が、●●さん(私)と仕事したかったって言ってたんですよ」と話しかけてきました。

「あら、そうだったんだー。部署が離れちゃったから、全然絡めなかったね。」

「仕方ないですよね。」

「Y君は急に辞めちゃったね。全然前ぶれもなくって聞いてるけど」

「LGBT理解のなさが、彼を追い込んだんですよ」

「…….???????  え??? そうなの????」

「僕が見てても、周りの理解がないなって思いました。彼が悪いわけでも、周りが悪いわけでもないですけど」

具体的に何があったとかいう話は聞きませんでした。ただ、「理解のなさが彼を追い込んだ」という言葉が悲しかった。私は会社側の人間でもあるから、Y君に申し訳ないと思いました。そんな会社で申し訳ない。

実際、表立っては理解があるような雰囲気なんです。Y君以外にも、明らかにMTFの方がいます。「明らかに」というのが微妙な表現ですけど、要はわざわざ公表はされてないということ。でも、私じゃなくてもわかります。彼女は元男性です。

そんな前例があるので、うちの会社は理解があると思っていたのですが、MTFよりもゲイの方が生きづらいということが明るみに出たのかなと思いました。

 

「終わったことは、もう考えたって仕方ない」かー。

 

その時、彼と同じ部署だったら、私は何かしていたのかな。行動したのかな。声をあげたのかな。

理解のない人たちと話すために、私自身もビアンであることをそのタイミングでカミングアウトしたかもしれないなって思いました。

でも、そんなことを考えると、ちょっと怖くなります。私が仕事に求めているのは、LGBT当事者としての活動(セクを公表して理解を得る活動)ではなくて、セクとか関係なしにバリバリ成果を上げていくことですもの。ちょっと必要以上に男性に勝ちたいと思っている節はありますが――。

LGBTは、左利きなのと同じ。多くの人は右利きですけど、誰かが左利きだろうとどうでもいいこと。右利きの人向けに作られた道具とかがあるから左利きだとちょっと不自由なときがある、というくらいでしょう。

 

私は、わざわざカミングアウトをする必要はないと思っていました。今でもそう思っています。

でも、きっかけは自分以外の人のことにあるのかもしれないって初めて意識しました。わー、どうなんだろー(笑)

全然心の準備ができてないなー。

 

 

 

今はまだ、私の中の変な正義感が、ワッショイワッショイだだ漏れにならないことを祈るばかりです。

↑ 山口さんのこの表現、愉快。

 

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